【山形】特殊な気象条件が織りなす「蔵王の樹氷」

世界的にも珍しい「蔵王の樹氷」

冬に旅をするのなら、独特の景色で知られている蔵王の「樹氷」を見に行くことをおすすめします。
樹氷というのは樹枝などに霧氷がめるでガラスのかけらのように付着したもので、別名「スノーモンスター」とも呼ばれています。

蔵王に多く自生している針葉樹「オオシラビソ(アオモリトドマツ)」は樹氷を形成する樹木の中でも代表的なもので、大きいものは樹高が40メートルにも達します。
アオモリトドマツは成長が非常に遅く、寿命は300年と言われています。
ただ、近年このアオモリトドマツがトドマツノキクイムシの大発生によって減少しており、樹氷自体も以前と比べると数が少なくなってきています。

蔵王樹氷原へのアクセス

樹氷原を見るためには、蔵王温泉からロープウェイでアクセスするのが一番です。
蔵王山麓駅から蔵王ロープウェイ山麓線に乗り、樹氷高原駅で蔵王ロープウェイ山頂線に乗り換えて地蔵山頂駅までの道のりで、美しい樹氷を鑑賞できます。
ロープウェイの運賃は大人1,500円、子どもが800円で、往復で購入すると割引があります。

ロープウェイの車窓から樹氷を眺められるだけではなくて、地蔵山頂駅前と山頂駅展望台からも美しい絶景を楽しむことができます。
特に山頂駅展望台は360°のパノラマになっており、どこを見渡しても美しい樹氷群に覆われています。
「レストラン山頂」に入ればガラス越しに美しい樹氷群が見れますので、ここで食事をしたり軽食をとったりするのがおすすめです。

毎年、12月末から3月の初めにかけては樹氷がライトアップされ、この世のものとも思えない美しい光景が出現します。
この期間はナイトクルーザー号で行く「樹氷幻想回廊ツアー」も実施されており、暖房のついている雪上車で樹氷群を鑑賞することができます。
樹氷幻想回廊ツアーの料金は大人4,000円、子ども3,300円で、電話予約が必要です。

スキーと温泉も存分に楽しみたい

蔵王といえば温泉とスキーでも有名ですから、温泉に宿泊して樹氷を鑑賞し、昼間はスキーを楽しむのがおすすめです。
開湯1,900年を超えるといわれる蔵王温泉は「美人づくりの湯」とも呼ばれる酸性の湯で、アンチエイジングも期待できます。
樹氷群が鑑賞できる季節の蔵王は気温がマイナス10℃以下になることも珍しくないので、防寒対策はしっかりとしていきましょう。

スキーウェアの下には起毛素材のインナーや、冷気を通さない手袋なども必要不可欠です。
蔵王温泉街には、平安時代に創建された酢川温泉神社などもありますので、合わせて観光をするといいでしょう。
温泉の神様が祀られており、229段の石段を登りますので、滑らない靴で行くことが大切です。